2005年 05月 19日
"take" is akin to an Angel.
a0000421_2332238.giftake: to get into one's possession by force. skill, artifice.

an image from: Wilhelm Schweizer Pewter Collection, Pewter Kingdom, Frankenmuth, Michigan


言葉は精霊の一種に違いない。
一人の人間が生み出すには複雑すぎ、初めからそこにあったはずもないもの。
目に見えない世界で、結びつき、解け、形を変える。
触れることのできない透明な身体を持つ。
色彩も温度も音階も、自らの糸車に束ねようとしている。
大気中の浮遊物質を取り巻いて成長しようとする小さな結晶体の意志と
リンが形成する油脂膜の親戚であるだろう有機質の構造体である私の意志が
青紫と赤紫の中間に、取り込まれまいと共に願うからこそ、共鳴する。
言葉は、凍りついた岩石のようではない。それはまったく、自明なことだ。
空を巡る大気と共に何かを形作る雲に似ている。
夏の夕暮れを満たす太陽の血液を浴びて、
その熱に応える雷鳴と雷雨に似ている。
言葉が刻まれた構成物もまた、誰かの意志を受け継ぎ、静かに拍動している。
白と黒で刻まれた薄い二次元の配列には、
視覚から流入し脳内で走り出す火花が潜んでいる。
古紙を濾した空気のなかで静かに、床板と漆喰に沈み込みながら、
あの緑色の本は待っているのだろう。
私にもう一度出会い、理解されることを願って。
言葉。目に見えないものを浮かび上がらせ、形のないものに形を与える。
記憶の連結から汚染を剥ぎ取り、濾過するのではなく、その意味を変える。
私の意志が、私の精霊を定義するとき、恣意なる領域は収束し、
色彩の、音響の壁面に輪郭を浮かび上がらせ、初めて姿を表す。
定義することで、私はその精霊と手を繋ぎ、歩き出す。
共に共鳴する対等の構造体として、私が私の力を定義するとき、
私は、恣意性の渦を潜り、澱んだ液体に沈んでいた連結子を引き揚げ、接続する。
私は、何も思わずに、考えずに、確かめずにそれがわかる。
なぜなら、私の存在と完全に合致している。
それを得て初めて、言葉はその独立した一つの構造体である自らの本質を明かす。
そこに待っていた。この世界に満ちる物質を、想像することのできる全ての領域を、
私と共に旅するために。精霊は、私の限界を透過して、本質に触れる。
その力を借りて、私は世界を知り始める。
言葉は精霊の一種に違いない。
一人の人間が生み出すには複雑すぎ、初めからそこにあったはずもないもの。
誰かが受け継ぎ、誰かが先に進め、それを繰り返して編まれてきた。
長い間、一人の人間と、この世界の背景にある構造を繋ぎ
様々な世界で、人と人の心を繋ぎ、知の体系を繋ぎ続けてきた。
同じように意志ある誰かが、言葉の精霊と同質の力に目覚め、自らを収束させるとき、
言葉の精霊は自らの意志を現し、一歩先へ進もうとする誰かに力を与える。
理解されることを待っていた。共に旅するために。

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# by actangel | 2005-05-19 23:38 | Anglice, Linguistics